#3『現代における指導者とは』

2026.06.15

整体の施術というものは、ただの技術を並べたものにあらず。
さらには見よう見まねの手順だけでは成立もせず。

なので YouTube などの動画でお金もかけずに “単なる技術” を習得しようとしても限界があります。
近年はプロの先生でも YouTube 動画が師匠 (!!) というような人も多々見受けられます。

時代は変わった…と言ってしまえばそれまででしょうか。

でも私は絶対に変わらないものもあると信じています。
それは目の前の師を真似ることから始める、という職人的な考えです。

私もこの仕事に入った当初、厳しい師匠の下で苦労しました。
何も教えてくれない、一日中怒られるだけ。

そしてただ毎日横で施術を見ているだけだった。
それもカーテンを閉められて見えないようにされた。

見えるのは師匠の足元だけ。
それだけでもヒントがあるかもしれないと思い来る日も来る日も足元を見ていた。

でも師匠の下を離れて、独立した後に気が付いた。

あの時、厳しい師匠の下で、ただ見ていたと思っていたことが、しっかりと血肉になっていたということ。
それは技術だけでなく、クライアントを惹きつける立ち振る舞いや言葉掛け、雰囲気作り。

そして、見せてくれていたのは整体師という生き方そのものだった。
あの時何も教えてくれなかった、ではなく、全ての教えはそこにあったのだ。

厳しく育てられたおかげで、私はこの業界で粘り強く、そして逞しく生きてこられた。
今の時代はあんなに厳しい指導をしていたら、あっという間になんとかハラスメントで訴えられる。

今の時代は甘い。とにかく甘い。

上から怒られなくていいなぁとも思うが、可哀想でもある。
甘い人間はそこそこまでしかいかないからだ。一線を越えて活躍したいのなら、どこかで今までに体験をしたことがない厳しさを経験しなければ無理だと思う。

我々のような技術職がいつからこんな甘い時代になったのだろうか。
でも仮にそんな厳しさを求めてくる教え子がいたとしたら、とてつもなく嬉しい。
自分の経験してきたこと全てを注ぎ込むだろう。

残念ながら、今の時代ではあの厳しさを体現はできないが、私も教え子達が10年後に大事なことに気が付いてもらえるような指導をしたいと思っています。