#7『施術のスタート地点』

2026.08.18

今回は以前から教え子達によく話していることをひとつ。
「実は触れる前に、施術は始まっている」
ということ。

クライアントがドアを開けて入ってきた時から、サロン内でのその方の空気感を感じています。

  • ドアを開ける勢い
  • 挨拶の声のトーン
  • 閉める時の音
  • スリッパの足音
  • 椅子に座るまでの動き
  • 待合で座っている時の目線
  • 呼吸

身体はベッドの上だけにあるわけではありません。

その人の緊張も、安心も、その空間全体に出てしまう。だから施術というものは、ベッドに横になって「触った瞬間」から始まるのではなく「入室時」から感じることだと思います。

逆に言えば、触れる技術だけを磨いても、届かない部分がある。

人は安心した時に、初めて施術家に身体を預け始めるからです。だから大切なのは、うまく触れることだけではなく “安心できる空気感” を入室時から作れているか否か。施術家の仕事は、身体反応から変えることだけではなく、相手の心の防御をほどくことなのかもしれません。

やはり大事なのは、以前にもこのコラムで書き記した「施術家という人間の在り方」が、そのまま空間に出てしまうということ。だから施術という仕事は、難解で捉えどころのないが故に、究極におもしろいのだと普段から感じています。